タンザニア眼科医療支援活動2018 Part3

【報告者】浅見 哲

講義の後は、寄贈品の贈呈式がありました。在タンザニア日本大使の吉田雅治氏からの挨拶がありました。吉田大使は、我々日本の眼科チームが10年以上の長きにわたりタンザニアの医療に貢献してきたことを是非タンザニア国民に知ってもらいたい、ということで、タンザニアの現地のマスコミに声をかけていただき、昨年に続き、テレビや新聞の取材も受けました。

検眼鏡セットの寄贈


贈呈式の模様を現地のメディアが取材


山﨑俊先生が現地メディア、Azam TVのインタビューを受けました。
贈呈式やインタビューの動画は以下のリンクよりご覧ください。

タンザニアの現地メディアに紹介された2018年贈呈式の様子です。
https://www.youtube.com/watch?v=bgvohCNJp1M

2018年の寄付の総額は、約913万円相当、寄付のアイテム数は2241と手術に関するディスポ製品、寄付に協力していただいた企業は10社になりました。
贈呈式の後、翌日の手術予定の患者さんの診察を行いました。


診察室の外の廊下には手術を希望される患者さんが待っています。


小嶋義久先生の術前診察
前眼部と眼底を入念にチェックし、白内障手術をするのに支障はないか調べます。


浅見も同じ患者さんを診察させていただき、小嶋先生と所見について話し合い、手術の方法などを議論しました。


カラフルな民族衣装を着た患者さん

術前診察が終わった後は、ムヒンビリ大学のドクターに用意していただいたタンザニアの地元料理をいただきました。豆入りのご飯やバナナシチュー, 地元でKukuと呼ばれる鳥のから揚げ、Pirauなどでした。Pirauという料理はピラフの語源にもなったトルコ料理として有名ですが、ここアフリカや中東でも食べられているようです。タンザニアでも、冠婚葬祭などの行事の際によく作られている家庭料理で、牛肉・鶏などの肉や野菜、米、スパイスなどを材料とした料理です。

竹内護さん(アシコ・ジャパン、NPO法人タンザニア眼科支援チーム理事)、竹内建司さん(テイクオフメディカル、NPO法人タンザニア眼科支援チーム理事)、横江美貴さん(在タンザニア日本大使館職員、看護師)の班は、昨年新しくできたムヒンビリ大学病院の分院とも言うべきAcademic Medical Centerに行きました。そこには近代的なビルがそびえたっていました。この病院は、アジア系企業のローンで建てたそうです。その病院には昨年その企業から医療器械が寄贈されていましたが、眼科の手術器械が動くかどうか確認してほしい、との要請でした。しかし、実際に器械を見てみると、器械内部のメモリ電源が完全に放電して起動プログラムが消失し、全く使用できないような状態でした。現地の人に話を聞くと、どうやら、手術器械を単に送りつけただけで、器械の立ち上げ方、メンテナンスの仕方などのガイダンスが全くなかったようです。


せっかく寄贈した高価な器械も現地の人にとっては無用の長物になってしまったようで、国際貢献のあり方を考えさせられる出来事になりました。

(次回に続きます)