眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂について
眼瞼下垂とは上まぶたが十分に上がらなくなり(挙上障害)、まぶたが下がってしまう疾患です。原因には先天的な要因と後天的な要因があります。後天的な要因には、まぶたを挙上させる筋肉を支配する神経に障害が生じた場合や加齢に伴い挙筋腱膜が伸展し、筋肉の力が伝わりにくくなっている場合、何らかの筋症によって筋力の低下が生じている場合など状態は様々です。また、加齢に伴い皮膚が弛緩(ゆるむこと)し、上まぶたに皮膚が庇(ひさし)のようにかぶってきてしまう眼瞼皮膚弛緩症も同様の症状になります。
眼瞼下垂について
まぶたが下がっていることにより、上方の視野が狭く感じるようになったり、まぶたが重く感じられたりします。
まぶたが下がると、より持ち上げようと筋肉を強く緊張することになり、連動する額の筋肉や頭の筋肉も緊張することになります。そのため時に頭痛や肩こり、眼精疲労(目の疲れ)を生じることがあります。
主な治療法について
原因疾患により治療は大きく異なります。動眼神経麻痺、Horner(ホルネル)症候群、重症筋無力症やその他の筋症がないかどうか十分に注意し、診断を行います。
治療は点眼、内服などでは改善は難しく、手術治療を検討します。当院では眼瞼皮膚弛緩症の方には、眼瞼皮膚切除術(上眼瞼の余剰な皮膚を切除する方法)を行い、その他の腱膜性などに対しては挙筋腱膜前転術(挙筋腱膜を短くし縫着する方法)を中心に行っています。
先天性や筋原性疾患に伴った眼瞼下垂の場合では、上記の治療が効果不十分である場合が多いとされます。そのため、そのような場合には適切な高次医療機関にご紹介いたします。
眼瞼下垂術
(写真: 岡田眼科 宮田信之先生のご厚意により掲載)
関連する機器
手術後について
手術後の診察について
手術後は翌日診察を行い、その後5~7日後に皮膚の縫合糸を抜糸します。創の状態によりその後の通院期間は変化しますが、術後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月まで確認させていただき、3ヶ月で眼瞼の位置は安定してきますのでそこで一旦終了となります。
手術後の生活についての諸注意事項
手術前に術後の生活上注意していただきたいことをご説明しますが、基本的には創部を擦らないこと、感染が起こりうることは術後早期には避けていただくということになります。